第30章 解散(かいさん)
杏寿郎「死…?
死?死?
え?死?」額に汗が滲む、目がぐるぐる回っている←頭が追い付かない、理解を拒んでいる
義勇「落ち着け
俺も同じ気持ちだ」
無一郎「全くもって納得がいかない」
天元「安心しろ俺も同じ気持ちだ(肩の上に右腕を置く)
いざとなればあの世に全員で殴り込みに行こうぜ」憤怒
無一郎「うん行こう」真剣
義勇「落ち着け二人共;」
荒れに荒れ果ててしまっていた
その矢先…
こめかみに血管を走らせ浮かせながら
行冥が必死の想いで言葉を発した
それだけでは無いはずだ、と
一縷の望みを賭けて
耀哉「………………」
行冥「それ以外にお言葉は無いのですか?」
耀哉「…………
これは……
願望かもしれない……
しかし……
もし、夢でないというのなら…希望はある
あくまで希望的観測だけれど……
まだ…この世に…日輪刀が遺されているのだとするならば……あるいは………」
天元「いやいやいやいや…
俺等の日輪刀も光じゃなく、化身化も出来なくなって…
まさか!!」
耀哉「ああ…
恵土が手ずから力を送り込んで創った日輪刀…
それなら……
日輪刀へ変じた神の力では無く
恵土単体の力で成り立っているものと言える
呼吸も、それに類する事象も…まだ消えては居ない
それ自体、日輪刀が存在することで起きることだ
と言うことは……」
『まだ日輪刀がある!!)…』
ばっ!!←立ち上がる
耀哉「まだ話には続きがある…
龍神は…こうも言っていた
繋ぎ止めたくば…己が手で掴み取れ
答えはすぐ近くにある
と」
小芭内「つまり産屋敷邸の近くか?」
耀哉「いいや…
私の予想が正しければ……
縁の里にあると踏んでいる
何処かに必ず……
姉上の色と同じ、陽光色のものが
そこから遠くなればなるほど、呼吸も技の事象も起こり辛くなると観測されているからね」
『なるほど』
実弥「ありがとうございます」
『では失礼します』だんっ!!
その報せは、鎹鴉を通じて全体へ伝達された
耀哉「頼んだよ…
姉上を…
どうか……
救ってやってくれ」
縁側から程近い場で
柱に手を添え、力無く遠くを見やる
少し散歩と行こうか
と、縁の里まで耀哉も徒歩で行こうとし
それに隠も同行し移動し出していた
車も使わず…自力で動けるようになったから