第22章 機能回復…薬?(やく?)
それも相まって…
尚更、心配なんて次元を超えるほど
死んで欲しくない一心で頑張り続けていた
死んでしまったらごめん
隅っこの方に小さく書かれた
申し訳程度に書かれたそれに
それを見た(気付いた)しのぶは軽く床に叩き付けた
一頻り咽び泣いてからのことで…
だからこそ…
誰もが心配し、気に掛け、落ち着かない素振りを見せていた
ちなみに小芭内達が見舞いに来た時は既に遺書は伝達、共有されていた
何度も心臓が止まり肺が止まり危険な状況が続いたからであり
それは辛うじて峠を超えた7月20日頃のことだった
そのままその日中に縁(えん)と縁(ゆかり)のある方々へ順に回っていった
色んな意味で
しのぶや皆へのラブレターと、皆から挙って言われるそれに
しのぶは真っ赤になって否定しつつも俯くばかりだったとか……
勿論珠世さんも読みました
珠世「ほおっ//」ぽっ
愈史郎も横から読んで涙ぐんでました
愈史郎「泣いてない!!//」
指摘したら真っ赤になって否定してました
昼前…珠世が蝶屋敷を訪れた
なんでも鎹鴉から情報を聞き
ここまで急ぎで来たとのことだった
珠世「どうしても鬼にならなければ回復しない深刻な病状と聞きました
薬を投与しなければ目覚めない、切れれば再び眠ると
なので…これは、私が開発した薬なのですが」アンプルを差し出す
しのぶ「これは?」
珠世「回復薬です…
機能回復薬(きのうかいふくやく)と名付けています
しのぶ「わかりました
経口ですか?静脈内投与ですか?
珠世「静脈です
どちらでも作用するよう作りました」
それにしのぶは即座に点滴袋を外し注射器で薬を吸い点滴の管と繋ぎ静脈内投与する
珠世「ですが、副作用として…
幼くなります
ぽんっ←寝た切りの恵土が煙に包まれた
恵土「んん?」きょとん←小さくなり起き上がった
柱達『!!?』瞠目
珠世「年齢は23歳と伺いましたので
8歳ぐらいのはずです
傷付いた細胞を修復する際
つまり鬼が再生を使う際
部位のみ若返っているのです
不老不変である根幹を司るもので…
鬼化しない回復薬、再生薬となります
ただ……
身体だけではなく、思考回路も幼児化してしまうので注意が大変必要です
目を離すと何をするかわからないので気を付けて下さいね
小芭内「心得た」
『早い)…』小芭内を凝視
