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化身来華【鬼滅の刃】

第22章 機能回復…薬?(やく?)





だから……
優しくなんか無いんだよ

そんな人なんかじゃないんだよ

皆は、良く捉えてくれるけれど…
そんな人じゃないんだよっ

けれど謙遜だと捉えられる
救われていると言われる
その度にチクリと胸が痛む


ねえ…?

ちゃんと…生きていると言える?


迷子のように…
どこをどう歩いてるのかもわからない幼子のように……

ずっとずっと迷ってる…
ずっとずっと惑わせている…
ずっとずっと…苦しめてしまっている

そのことが痛くて痛くて堪らない
愛おしくて堪らない人に、そんな想いをさせるのかと…
胸の中で自分を苛む

自分で…自分を……


こんな自分が…幸せになんて出来るはずが無いんだ
出来る訳ねえんだよ

自分は邪魔でしか無いんだよ…
幸せの……障害にしか成り得ないんだよ


要らないんだから――


大事にしてくれた人が望むのならば
それを叶えなければ

大事にしてくれた人が好きだと言ってくれた優しさを絶やすこと無く
少しでも幸せになれる道があるのなら、考え続けなければ

哀れな癌を…消さずに済む方法があるなら……頑張らなければ……

たとえ死んででも果たせるのなら…やらないと………
そんな方法なんて…道なんて…ある訳無いのに……

そうしてしまったら…初代は死んでしまうのに……
馬鹿なことばかり考えてっ…

結局は、何も守れない……(震え)


でもそれが初代の願いなら叶えなければ…
それで初代が喜ぶのなら、報われるのなら…やらなければ……

いつだって…人の願いでコロコロ変えて
私がどれなのかもわからなくなって
それでも絶えず寄り添い、姿形を変える

私は一体何なんだ?
何度自分に問うたかわからない

どれだけ見つめ直してもわからない


私は、私がわからない

一番気持ちが悪くて意味がわからない
醜悪で、歪な…存在であるのは自分も一緒だ


なのに…癌だけは消して、自分だけ生き残る?
初代を生かす為に?九百七十六垓人を蘇らせる為に?
そんなのこちらの勝手でしか無いのに?

どっちも勝手な話…
責任を取れない、取る気も無く好き放題する癌に裁きを下しただけ

それじゃあ……
なんで…私には、まだ…裁きが来ないの?


どうして……まだ…生きているの?


胸の奥にずっと痛みがこびり付いて離れない


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