第2章 最終選別(さいしゅうせんべつ)
合格者はその場に居た者達のみだった
二十もの人々が集ったのに対し、八名ほどしか残らなかった
完全にそのままここで住み込めるほどに整えられたそれに、感心の声を寄せられる有り様だった
五十もの鬼を斬り捨てていたらしい
その鬼気迫る様相に、元々閉じ込められていた鬼は誰一人として寄ることも無かったという
藤を嫌う鬼が十数人ほど閉じ込められている
試験という段階から、配置されているのは二、三人しか食べていない鬼との説明だった
が、今回のみにおいては鬼がひっそりと紛れ込んできたようであり、私は「二、三人しか食べていない鬼」と「一番でかい鬼」を除いて全て斬り倒し叩き伏せていたらしい
どうやら…無惨に狙われてのものであることも視野に入れ示唆されていた
大方連れて来いと命(めい)を受けていたのだろうとも
龍神が飛び込んで身籠り産まれた娘
それが狙いで襲撃したとのことを、三都村への襲撃の件も合わせて皆に聞こえないよう説明された
その次の最終選別から変わらず、十数人のみの鬼が保たれていた
その場で隊士と任命され
隊服の支給、鎹鴉(かすがいがらす)の随伴、及び日輪刀の元となる玉鋼の選択が行われた
何故か私に一番を譲られ、安心して過ごせる場を提供してくれたからと口々に賛同された
一番日輪刀が激しく反応した玉鋼を選び、去る前に各々貰った後に皆へ挨拶をし、感謝を伝えてその場を去った
同期となるその者達とは、後に剣の才能が無いと発覚した者達も半数も居り
隠(かくし)になるか、はたまたどうしたものかと悩んでいた
その際に、自給自足できる里を共に作らないかと提案し、私もそこに住みたいとも伝えた
行き場の無いものであったこともあって、自然と集落が出来上がっていった
手足を失い引退した同期もまた集うこととなった
それは後に…隊士を支え生み出し続けていく修練の場としての環境を整えられていった
鎹鴉や隊士、隠が安心して休める場としても、鬼が踏み入れないほどの難攻不落な天然の要塞が出来上がっていくこととなる
恵土「……ただいま」
耀哉「おかえりなさい!」
笑って、両腕を大きく広げて抱き締めて迎えられるそれに
私達は安堵して笑った
それから程無くして…刀鍛冶の里へ赴き、日輪刀を造る為に赴くこととなった
耀哉も付いて行くとごねたがお館様に却下されていた
