第13章 新たなる弟子達(でしたち)
義勇「俺が…錆兎の想いを繋ぐから!」
涙ながらの叫びに、錆兎は目を細め、笑った
その日から…義勇の羽織は、半々羽織になった
俺を守る為に、剣士としての未来を捨てさせてしまった
胡蝶しのぶの介入が無ければ、命を亡くす所だった
それ故の想いは…確かに伝わっていたようにも思う
あの当時…胡蝶姉妹から教わり、教え合い、考え合い
風月流と真月流の教えを無事、己の剣術として昇華することが出来た
体捌きが著しく向上し、瞬発力と敏捷性が特に大きく跳ね上がったように感じる
こんなにも動きに無駄が多かったとは…
そんな想いに駆られることが何度あったことか……
昔を想起しながら、錆兎へ差し入れをしに義勇は向かっていた
すると…
錆兎「?義勇」
義勇「差し入れだ
進捗はどうだ?無理はしてないか?」
錆兎「くす)大丈夫だ
剣士としては無理だが…
ちゃんと、ある程度は動けるようにまで回復はした
人に教えることで、新たな発見も出来たしな!
お前の言っていた通り」微笑
義勇「それは良かった(微笑)
所で……」
錆兎「ん?」
義勇「………
その…
横になったままの人は、大丈夫なのか?」
錆兎の傍らで、大の字になって動けぬままでいる男性と白蛇(両方目を回している)に
心配そうに尋ねていた
錆兎「ああ、新たな弟子だ!
伊黒小芭内と言って…もう直に目が覚める
挨拶していくか?」
義勇「いや……
鮭大根が俺を待っている!!」きりっ!!
錆兎「あっはっはっ!^^
そう言えば近頃入ってくるんだったな
恵土が熊のもつ鍋を勧めてたがそれも食べる気か?」
義勇「勿論だ!(キラン!)
帰って先生と食べる!」←帰りの道中から近いから
錆兎「あっはっはっはっはっ!^^
昔は引き気味で恐る恐る食べてたのにな」けらけら←腹抱え爆笑
義勇「…言うな;」ぽつり
そして…そのまま義勇は去っていった……
修練は極めて順調で
己の身体に合った呼吸法と剣術を、道なき道の修練第一段階で完全に身に付けていた
最初は恵土が付きっ切りで何度も回復させながら必死に行い続けていた
が…その必要はもう無くなったことで、身体の楽な動きを完全に身に付けたことで、錆兎に一任する流れとなった
ちょうど再会から一月(ひとつき)経った頃で、最後の修練の最終段階に差し掛かっていた
