第9章 第八章
某会議室
「では、順番に自己紹介して頂けますか?私はプロデューサーの……」
本日は
小野先生のドラマでの初顔合わせ
スタッフ陣+役者が総出で集まりご挨拶をする場
年末でお忙しい中、皆さん朗らかに挨拶を交わしていく
一方私は
内心は戦々恐々としていた
「原作漫画を描いています、小野和之です。よろしくお願いします。」
朗らかにご挨拶を済ます隣に座っている小野先生
小野先生はというと一度立ち上がり挨拶を済ませると座り直すタイミングでちらとこちらに視線を移しニコッと爽やかな笑顔を向けてくる
この人はあの電話口の小野先生なのか?と
勘違いだったのかもしれないと錯覚してしまいそうなほどに
「…あの?燕先生?」
プロデューサーさんに挨拶を促されて我に返る
「ふ、あ?!……あ、えっと。……今回脚本を担当させていただきます、燕です。よろしくお願いします。」
なんとか持ち直し挨拶を済ませたあと、思わず「ふぅ」と一息ついてしまい隣に座る小野先生にクスッと笑われる
くそっ!
なんで私ばかりドギマギしてるんだ!!
余裕そうな小野先生
あの[おパンツ事件]から初めて顔を合わせたというのに!!
実はあれから一度また打ち合わせとして会えないか?と連絡が来たが「リモートでお願いしたい」と返事をしていた
つまり
絶賛逃走中
なんとか期限の日までは逃げ切りたい
そう思ってはいたのだが。
うっかりこの顔合わせを忘れていた私
今、大変気まずいです
それに、この作品に関わる身内?はりんもいて
りんはインティマシーコーディネーターとして
小野先生の提案が受け入れられた形になる
本当はりんと隣同士に席につくつもりだったけど既に席は決められていて
当然だよね。
原作者と脚本家が隣に座るのは
[おパンツ事件]を知らないりんだけど前回会った時の近況報告会の事もあり、私が隣に座る事になるとわかって少し心配そうな顔をしていた
大人だし駄々をこねる訳にもいかずに私は何事もなかったかのように席に着くと意外にも小野先生はあの時の出来事を蒸し返す事なくニコッと笑って会釈するのみで
いや、逆に怖いです