未来の旦那様、婚約破棄してください【呪術/五条悟/R18】
第1章 蘇る記憶。
携帯を閉じた所で、保健室のドアが開く音がして、軽い足音と共に、
「、開けるぞ」
家入硝子の声がして、悪い事をしたのでもないのに、再びドキドキと胸が高鳴った。
「どうぞ」
細い指にカーテンがかけられて開かれた隙間から、家入硝子が顔を覗かせた。
「一時はどうなる事かと思ったけど、大丈夫そうだね。念の為、何処か痛む所があったら教えて欲しい」
綺麗な声に、モデルのようにスラリとした手足に女性らしい身体付きに、私は見とれてしたかもしれない。
「···」
終始ぼーっととする私に異変を感じた家入硝子は、私の額に腕を伸ばした。
「熱は無いけど、念の為明日は休んだ方が良さそうだな」
「どうしたんだろうね?呪霊の影響かな?···一応悟にも連絡しておくか」
家入硝子の隣に居た夏油傑が携帯を取り出して、文字を打ち始めた。
「···え、あ、ごめんなさい。私なら大丈夫だから、『五条君』には伝えないで」
「「····!?」」
ギッョとしたように2人が私を見た。
あれ、何かおかしな発言しちゃった感じ···?
冷や汗が背中に流れるのを感じながら、私はぎこちない笑みを浮かべるしか無かった。