第9章 雄英体育祭
の周りにはあまり人が来なかった。
の個性はあまり周りの目には映らない。その上自身あまり表情を変えないポーカーフェイス。
それなのに、轟や爆豪をも置き去りにする圧倒的強さ。
目立たないのに怖い。
の人気があまりない理由はそんなところだった。
そんな中、デクは一番最初にの元へとやって来た。
緑「繋原さん!」
「緑谷くん」
緑「僕と一緒に組まない??麗日さんの無重力の個性、そして飯田くんの機動力、繋原さんの個性で防御すれば無敵だと思うんだ」
「確かに…」
緑「じゃああとは麗日さんと飯田くんを…」
「でもごめんね、緑谷くん」
緑「えっ…」
「緑谷くんとは組まない」
緑「ど、どうして…」
「今の緑谷くんは、私にとって仲間になりたい人じゃない」
デクはその瞬間落ち込んだ。
しかし次の言葉でそんな必要はなかったと気づいた。
「今の緑谷くんは、私にとって勝ちたい人だよ。戦いたい人なの。だから、緑谷くんとは組めない。ごめんね」
緑「繋原さん…」
「試合、楽しみにしてるね」
緑「うん…!」
そう答えるデクの目から悲しみは晴れていた。
はその場を少し離れた。
(緑谷くんは戦いたい人。それは間違いない。でも…どうしよう!仲間いない!このままじゃチーム組めなくて失格になっちゃう!)
は少し焦り始めた。
A組のみんなは怖がっていたわけではないが目立つことを優先した結果、爆豪が大人気であった。
砂「俺と組め!」
芦「ねぇ、爆豪、私と組も?」
青「僕でしょ?ねぇ?」
他にも障子や瀬呂などが取り囲んでいた。
爆「テメェらの個性知らねぇ!なんだ!」
芦「B組ならまだしも…」
砂「周り見てねぇんだな!」
個性の汎用性とその実力を考えれば、その人気は頷けた。
みんなに言い寄られていると、爆豪の目にはデクと話すの姿が映った。
すると周りを無視しての方へと歩いて行った。