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例外のヒーロー【ヒロアカ】

第9章 雄英体育祭


その騒めきの中では、少しだけ立ち止まり、遠くから歓声が聞こえる中、自分の手のひらを見つめていた。

(……あと少しだった。でも……)

ふと、目を上げると前を行くデクが振り返り、息を切らしながら笑っていた。

緑「……速かったね、繋原さん」

はほんのわずかに目を見開き、すぐにふっと小さく笑って応える。

「……そっちこそ」

(初めてだよ…こんなに悔しいって、思ったの)

その瞬間――

爆「チッ……」

後ろから聞こえてきた苛立ちの舌打ち。

マ「続いて轟がゴール! そして爆豪ぉぉ!! 上位陣、出揃いましたァァ!!」

轟は息を乱さず、ただ淡々と繋原を見つめる。

轟(氷を読まれていた……完璧に。……ただの勘じゃない。判断力と経験……それと――)

繋原の立ち姿を、静かに見つめた。

轟(実力、だ)

一方、観客席でも話題に。

観客A「すごくない? あの女の子」
観客B「“特例枠”って紹介されてた子だよな……まじでヤバいわ」
観客C「爆豪や轟より前にゴールするって……何者?」


続々とゴールして来たクラスメイトもを讃えた。

上「おーっし!繋原、二位じゃん!すげーじゃん!」

切「マジですげぇよ! 俺らも頑張んなきゃな!」

飯「冷静かつ精密な判断力……さすがだ!」

麗「繋原ちゃん、ちょっと顔怖かったけど、やっぱカッコええな〜……」

「……え、こ、怖かった?」

やや気まずそうに顔を背けたその横で、かすかに笑いが起きた。
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