第9章 雄英体育祭
緑「君の境遇も…君の決心も…僕なんかに計り知れるもんじゃない…。分かったとして繋原さんくらいだろう」
(緑谷くん…)
緑「でも全力も出さないで1番になって完全否定なんて!ふざけるなって今は思ってる!その点彼女は…繋原さんは…最初からずっと本気だった!」
デクは再び轟へと向かっていった。
轟の体にはどんどん霜が降りていく。
轟「うるせぇ…」
轟は昔のことを思い出していた。
父親のこと。そして… 母親のこと。
するとまたデクの拳が入った。
緑「だから僕が勝つ!君を超えて!」
轟もまた、踏みとどまる。
轟「俺はこいつの…親父の力を…」
緑「君の…!……力じゃないか!!!」
轟「はっ…!」
「…」
は苦しそうな顔で画面を眺めた。
轟の囚われてしまう気持ちも、デクの救いたい、全力でぶつかってほしいという気持ちも、どちらも痛いほど分かった。
轟はその言葉を聞いて左手を使った。
轟「勝ちてぇくせに…敵に塩を送るなんて…どっちがふざけてるって話だ」
緑「あぁ…」
の口角が上がった。
(それが緑谷出久…将来のNo.1ヒーローなんだよね、きっと)
轟「俺だってヒーローに…」
轟が左側を使った様子を見て、エンデヴァーは叫んだ。
エ「焦凍ーっ!!やっと己を受け入れたか!そうだ!いいぞ!ここからがお前の始まり!俺の血をもって俺を超えていき、俺の野望をお前が果たせ!」
は腹がたった。
わなわなと震える拳を握りしめた。
しかし、もう気にしていないのか、デクも轟も笑っていた。
轟「なに笑ってんだよ。その怪我でこの状況でお前…イカれてるよ。どうなっても知らねぇぞ」
轟とデクの本気のぶつかり合いがようやく始まった。
しかしセメントスとミッドナイトが止めた。
あまり意味はなかったようだが。
デクは場外で倒れた。
結果は轟の勝利であった。
は苦々しい顔をしながらも微笑んでいた。
(轟くんに…届いたよ、ちゃんと。ありがとう、緑谷くん…やっぱり君は…すごいね)