すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第14章 興味の渦
「で?お前はなんな訳?」
「あの…引っ越しを…ちょうど一週間…間違えてて…」
「うるせぇなぁ…お前ら、引っ越し引っ越し!って!!」
「え?」
「やぁ、ちひ君」
「は?なんで?」
「だから言ってるだろ、皆引っ越しのタイミング間違えてんなって!」
「あー、なるほど。」
「で?お前いつだっけ、」
「俺二日後です。」
「なら千紘、お前二日後から来い」
「はい?!」
「あ、あのぉ…」
「あ?!」
「あ、ごめんなさい。私どこか部屋とりますよ。」
そこには着替えを終えて荷物をあらかたまとめた凜桜がすぐそこに立っていた。
「…凜桜はいい、居て」
「いえいえ、私がとりあえず少しお暇しますよ」
「…待てって…」
他の2人がいても関係なしに凜桜の手首を引っ張り引き留める住吉。
「出ていくって、行く当ては?」
「ホテル…とか?」
「…ハァ…出ていく必要ない。大丈夫。」
「俺らは?」
「ソファとヨジボーな?」
「…はい…」
「文句あるなら他当たれ」
「大丈夫です!」
きれいに諒と千紘の声がそろった。
「…あいつは?」
「あいつって…もしかして…」
「琥太郎は確か大丈夫だったは『ピンポーン』……ず」
「出なくていよな…」
そう言いながらもインターホンを気にしない様にした住吉。
ピンポーン……ピンポーン…!
「うるせぇよ!」
「あ、代表いたぁ」
「何?お前も?!」
「お前もって…?あ、諒君たちもいるんですか?」
「帰れ」
「無理です!」
「いいから帰れ!」
「なんでですか?」
「そんなに受け入れれない!」
「えー?!なんで僕だけダメなんですか!」
「ホテルじゃねぇんだ!」
そう言ってチェーンをかけたままの住吉だったものの、扉を閉めれば再度チャイムが鳴る。
「…ーーーあぁもう!」
呆れたようにドアを開ければ中に入れる。
「で?お前の理由は?」
「僕、ですか?引っ越し十日後の十九日です!」
「どうやったら間違えるんだよ…!」
「『1』書き忘れたみたいで…」
「ふざけんなよ…」
こうしてソファ、ヨジボーの取り合いが始まるのだった。