第4章 《2章》サンジ落ち編/2話3P
〈第2章 サンジ落ち編〉
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ある静かな夜。
閉店した[バラティエ]は、もう一般客は受け入れてはいない時刻。ちなみにここは海賊だったオーナーの計らいで夜の見回り兼[夜番]が交代制でいる。
そんな明らかな夜の時間に、私はサンジの部屋の前で膝を抱えて彼を待っていた。
カツカツ、とサンジ一人だけの足音がこちらに向かって段々近くなるのを聞いて、拳をにぎり息を飲む。
「ロクジュ………?」
「に、兄様、お疲れ様でした!あ、あの……」
立ち上がり目を逸らした私に「とりあえず入れよ」とタバコを吸いながら扉を開けてくれる。
「おジャマします…」
うなされて入った部屋は、初日に運ばれてから昼夜問わずに[妹]だからこそ一番無防備に侵入していた場所。
少し広めの室内にテーブルとソファと本棚と机───リビングと書斎に置くものが全て『サンジが選んだ』って言うのが分かるクオリティで存在している。
ここは間違いなく[サンジの部屋]だ。
一般的と少し変わっている代表格は部屋に[ミニキッチン]や『台所にある物』があるところだろうか。
(こんなの[料理関係者]じゃなければふつうは無いだろうからね)