第27章 「花の匂いは誰のもの**」
「……ん、っ、ふ……おく、ぅ……」
痛いくらいに僕を締め付けてきて、頭の芯が痺れる。
(気抜くと、うっかり搾り取られそ)
を見ると、一番奥まで押し込まれた感覚に必死に耐えていた。
まつ毛はふるふると震えて。
微かに開いた唇から、熱を帯びた荒い息を小刻みに吐き出している。
そんな彼女を抱き寄せて、背中を撫でてやる。
その拍子に、体温の上がった肌から甘い匂いが立って、鼻先をかすめた。
その瞬間、また思い出す。
(あー、だめだ)
恵に匂いを嗅がせた、なんて。
にしてみれば、他意のないただの確認だったんだろうけど。
その話を聞いてから、嫌な苛立ちがずっと胸の奥に残ってる。
悠蓮とか宿儺とか、あんな深刻な話をしてたはずなのに。
悪いけど、そのへんほとんど頭に入ってこなかった。
ていうか、もだよ。
恵だって思春期まっただ中の男なんだからさ。
女の子の匂いなんて嗅いだら、『肌、柔らかそうだな』とか。
『触ったらどんな声出すんだろう』とか。
無意識にそういうやらしいこと想像して、少しでも欲情したかもしれないじゃん。
万が一にでも、他の男にそんなふうに見られたかもしれないと思うと……
考えただけで、イライラしてどうにかなりそう。
(……僕以外のやつに、そんな隙見せるなよ)
のことになると、自分でも引くくらいの独占欲が顔を出す。
(なんか……もっと、ぐちゃぐちゃにしてやりたい)
僕は、の後頭部に手を回して引き寄せると。
落ち着く隙なんて与えたくなくて、そのまま唇を塞いだ。