• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第2章 「はじまりの目と、最強の教師」


「……先生は、怖くないんですか? 私の力」

「うん。まったく」



迷いも躊躇もないその一言に、は思わず彼の顔を見た。
あまりに即答すぎて、ふっと小さく笑ってしまう。


その笑みは自分でも驚くくらい自然で――
張りついていた恐怖が、少しだけ遠のいているのに気づいた。


五条がひょいと手を伸ばし、の頭に軽く触れる。



「やっと笑った。笑ってる方がいいね……可愛いじゃん」



唐突なその言葉に、は一瞬固まり、耳まで赤くなった。
そして、照れ隠しのようにその手を軽く払いのける。



「か、からかわないでください……!」



少し間を置き、視線をそらしたままぽつりと続けた。



「……先生って、もしかして誰にでもそういうこと言うんですか?」



五条は声を立てて笑い、あっけらかんと答える。



「僕、ナイスガイでイケメンでグッドルッキングガイだからね〜」

「……それ、自分で言います?」



思わず返したの突っ込みに、五条は満足そうに笑みを深めた。



「ま、君の力については――僕がそばでちゃんと見ててあげる。だから一人で怖がらなくていいよ」



軽い口調なのに、不思議とその声には確かな温度があった。


(……先生がそばで)


その言葉が胸に残り、は視線を空に戻した。
朱と藍が溶け合う空が、さっきより少しだけ明るく見える。


恐怖はまだ消えていない。
でも――その隣に、確かに小さな希望が芽吹いていた。
/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp