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【天は赤い河のほとり】短編集

第2章 カイル:01│女神のいない大地で


【女神のいない大地で】ドリームside
カイル:恋人│3(1/2)/3P┃3500文字
ドリノベ様再投稿用変加筆済
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「ありがとう、本当にありがとう!!!」

あれから半日──わたしはずっと礼を言い続けるユーリとティトにぐったりしていた。

(ふたりが無事でよかったけど……)


そこにイルバーニを伴うカイルが戻って来る。

「お帰りなさい。事後処理は大丈夫だった?」

「あぁ、皇妃側が今回の件を『知らぬ存ぜぬ』でなにも起きていないことになった。だからなにもしてない………それよりも」

スッと冷たい目をしたカイル。

(やばい予感……)


「ドリーム、なぜあそこにいたのだ」

「それは…わたしが一番に気づいたから?」

「ほぉ………気づいていたなら止めるのが先だろうがっ!!!」

「なによ、悪いのはわたしじゃないでしょ!怒る順番がちが──」

言葉を述べた瞬間にギュッと強く抱きしめられて、すぐさま口を塞がれた。


「んっ、」

みんなが凝視している。止めに入ろうとしたユーリとティトなんて、手を伸ばした体制のまま固まってるじゃない。

ヨソ見したのが気に入らなかったのか、カイルはますます舌を深く絡ませてくる。

「ん…ふ、ぁ」


ようやく離してくれた時にはもう酸欠で、抱きしめられる腕の強さが苦しかった。

「心配した……」

耳元で小さくつぶやかれた言葉。

「ごめ、なさい…」

すでにもう周りに人がいるのを忘れて、熱い抱擁を交わし合うわたし達は二人の世界だった。
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