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【天は赤い河のほとり】短編集

第5章 ラムセス:01│エジプト*恋物語


【エジプト*恋物語】ドリームside
ラムセス:恋人│2(2/2)/3P┃3300文字
ドリノベ様再投稿用変加筆済
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数日後───事件は起きた。

どんなイヤガラセをされても動じないわたしに腹が立ったのか、姿を見せた理由は分からないけどついに強行手段に出たらしい。

わたしは数名の女性に囲まれる事態に陥る。


「あのー…、いつもいつも素敵なプレゼントをしてくれるのはアナタ逹?」

「さぁね?でもアンタのこと、よく思ってない人間はこの街にたくさんいるんじゃない?」

「そうよそうよ!たいして美人でもないクセになんでラムセス将軍と付き合ってるのよ!!」

「家柄だって普通の庶民でしょー?」

「遊ばれてるだけのくせになにを勘違いしてんのよ!!!」

次々と降る罵声の嵐に『負けたくない』と少しふるえる足に叱咤して、拳をにぎった。


「…アナタ逹がラムセスを好きな気持ちも分かるけど……わたしだって彼が好──」

パシッ

言った言葉に逆上した感じのひとりがわたしの頬を思いきり打つ。

「ムカつくっ!!いくら言っても身ほど程が知れないんだったら二度と将軍に会えなくしてやるっ!」

そうして合図のように、女性が手を上げると物陰から屈強な男性が3名現れた。

流石に背中にヒヤリとしたものが流れる。

(まさか……)


「このオンナ、好きにしちゃってよ!」

男逹は「イイのか~?」とか「可愛い子じゃーん」などを口に上らせてにじり寄って来た。

じりっ、と後ずさるけれどすぐに背中は壁に当たってしまう。もともと人気のない路地裏。さらに袋小路だったことが頭をかすめる。

そんな私の表情を見て、女逹は愉快そうに笑っていた。ゲスな笑みを浮かべた男の手がゆっくりと伸びてくるのをサッとかわし、精一杯の抵抗と男に蹴りを入れたり、暴れてみるが残り二人が左右から私の腕を押さえつけていく。


(もう…だめ、かも………)

ギュッとつむる瞳に写るのは愛しい彼だけ。

(ラムセス……ごめんなさい………)

びりびりびり───っとわたしの衣服が破ける音が絶望の音に聴こえた。
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