第10章 副隊長、母に会ってください
歌ってても寝てるから大丈夫だと思いそのまま歌い続け、元々夜に散々鳴かされて枯れた喉が余計枯れた。
カラオケの時間があと30分も残っていないくらいで、いきなりガバッと起き上がった。
「ほんまにごめん!!寝るつもりはなかったんや!ちょっと目ぇ瞑って、凉の可愛ええ声聞こう思っとっただけなんや!」
「ふふっ、いいよ。普通に寝れたみたいでよかった。」
何時に起きたのか知らないし、普段あまり寝れていないのを知っている。
寝れる時に寝るのがいいだろう。
「もう…怒ってええねんで?デート中に寝るなんて最低やん…。」
気にしないでと跳ねた後ろ髪を撫でてなんとか元に戻してあげた。
声酷なってると喉を撫でられた。
歌い過ぎたと笑うとまた謝られる。
私が勝手に歌ってただけだから謝らなくていいのに。
後は僕が歌うと30分歌い続けた彼はすっきりしたようで、カラオケを後にした。
「凉のお母さん、駅に迎え行こか。」
駅に向かって歩き出した彼についていって手を握ると驚いたように目を開いたが、君から繋いでくれるん嬉しいと笑う。
居酒屋はここのすぐ近くだ。
駅について少し待っているとすぐに母が来て、2人は挨拶を始める。
少し話しすぐに居酒屋に向かう。
お酒を飲みながら料理を食べていると久しぶりの母に気が緩んでしまったのか、ふわふわとし始める。
「そうだ、宗四郎くん。ここのお金渡しておくね。」
宗四郎に支払いをさせる為、母が財布を出したので私もと思い出すと、いらないと言う彼。
元々全て自分で出そうとしていたらしく、受け取ることはなかった。
そのままお酒を飲んでいるとお店を出なければいけない時間になってしまい、完全に酔っ払った私は家で飲み直そうと提案する。
「お母さんも宗四郎ん家行こ!いいよね、宗四郎!」
「明日は2人共夜勤やしええけど…酔い過ぎちゃう?」
母は明日休みだとすでに先程聞いた。
コンビニに無理やり連れて行きお酒やおつまみを買って帰路につく。
コンビニの支払いも私がグズグズしていると宗四郎に払われてしまった。