第4章 2。
しかし、今あの日を思い出させてしまった原因の一つは、俺の不適切な発言によるものでもある。
そのため、自分自身の言動に苛立ちを覚えながら、心の中で舌打ちをし、奥歯を噛みしめた。そして、握りしめたこの手は決して離さないと心に強く誓った。
「(ずっと…これから先も、そばにいる。もう一人には絶対にしない)」
俺は毎日心の中でこの言葉を呟き、何度も誓っている。この先、何があってもこの繋いだ手を離さず、ルアを一人にはさせない。
俺がまだ幼かった頃、今まで平和だったこの世界は突如として巨人の襲撃に遭った。ウォールマリアのシガンシナ区の門が破壊され、シガンシナ区の住人たちは突然、地獄に落とされ、愛しい家族や思い出、長年住み続けていた故郷をすべて失ってしまった。
そして、このウォールローゼには多くの避難民が押し寄せ、一時期は不穏で慌ただしい日々が続いていたと聞いたことがある。
そして、それから5年後、つい最近、ウォールローゼ内の俺たちが住むトロスト区の門が突如として破壊され、巨人の襲撃を受けた。数年前と同様に、この街の住人たちは突然地獄に突き落とされ、さまざまなものを失った。
幸いなことに、この街は多くの兵士たちの尽力によって奪還された。しかし、すべてが元通りになるわけではない。失われた命や物事は多く、俺たちは今、その「失われたもの」のおかげで成り立っている日常の上で生活しているのだ。
その証拠に、今でも街を歩いていると、巨人に襲撃された痕跡が痛々しく残っている。俺はその現実を目の前にして顔をしかめ、ルアの手を強く握りしめた。
すると、その手を強く握り返された。手を握り合うだけでも、俺の心の中にある不安が少しは解消されることをルアは理解しているのだ。俺たちは血の繋がりはないものの、共に過ごしてきた時間と経験から、誰よりもお互いを理解していると自負している。
俺はルアの手を強く握りしめ、その温もりを感じながら安心感を覚えた。そして同時に、あの日、このトロスト区の街が巨人の襲撃を受けた日のことを思い出した。
あの日、俺は運良く、母さんの脚の定期健診のために家族三人で内地に行っていた。