第4章 2。
「はい、不便なことも多いけど嫌いじゃないです。まぁ、なんでこんな場所に住もうと思ったのか…母さんは脚が悪くて大変なのに…」
俺はハンジさんの言葉を聞きながら、母さんの悪い片脚を思い出し、自分の片脚をさすったすると、それまで微笑んでいたハンジさんが、俺の様子を見て少し眉をひそめ、切なそうな表情を浮かべた。
「リヴのお母さんは脚が悪いのか…いつからなの?」
「さぁ…気づいたときには杖を突いて歩いていたし、姉さんとルアの母さんは知っているかもしれないけど、詳しいことは俺たちは知らないです」
「そっか…まぁ、どの家庭にも何かしらの問題は抱えているよね。子どもがもどかしく思うのも仕方ないよ。それより、二人は兄弟じゃないよね?姓が違うし」
ハンジさんは俺の話を聞いてそう言うと、苦笑いを浮かべた。そして、話題を変えるように首を傾げて俺たちの関係について尋ねてきた。
「あ…はい、僕たちは幼馴染で、僕は母さんと二人暮らしでした…でも…あの…。今は僕一人なので、リヴたちと一緒に暮らしています」
すると、ルアは一瞬言葉に詰まりながら、たどたどしく自分のことを説明した。しかし、ハンジさんはルアの様子や話の内容から何かを察したのか、「そっか」と小さく呟いただけで、それ以上は追及してこなかった。
俺はふと背後からルアの様子を伺うと、ルアはどこか寂しげに肩を落としていた。その姿は非常に寂しそうに見えたが、同時に追及されなかったことに安堵しているようにも見えた。
「あ、そうだ…リヴ、これ落としたでしょ?気を付けてよ、失くしたら大変だったんだよ?」
「あ…そうだった…ごめん…ありがとう」
すると、ルアは重苦しい空気を払拭するかのように話を逸らし、ハンジさんとの会話を終えた後、少し上半身を振り返り、眉をひそめながら困ったように言った。
そして、お遣いで買った紅茶の茶葉が入った紙袋を手渡してくれた。俺は思わず自分の手元を見て、いつの間にか落としていたことに気づき、顔をしかめながら紙袋を受け取り、しっかりと胸に抱え込んだ。
「ん?それは何だい?」
すると、黙っていたハンジさんが興味深そうに俺の胸に抱えられている紙袋を見て、問いかけてきた。