【WIND BREAKER】夜が明けたら【R指定】
第1章 馴れ初めってやつ
コンコン…。
夜にインターフォンでは無くて、ドアをノックする音。
この音は、『梅宮一』が来たと言う合図だ。
「………………。」
私はしばらくその音を聞いても、ベットから出なかった。
コンコン、コンコン。
あ、強くなってきた…。
今日はどうだろうか、諦めて帰るかな?
「……………。」
それでもしばらく放置していると、音がしなくなった。
私はやっとベットから降りて、玄関に向かった。
そっと覗き穴からドアの外の様子を見る。
丸い視覚の範囲には彼の姿は見えない。
でも、まだ油断出来ない。
私はそーっと、ドアをほんの少しだけ開けた。
途端にドアの隙間に手が入ってくる。
「?!」
びっくりして、ドアから離れると、そのままドアを開けて現れる長身の男。
「やっぱり居た。」
そう言って白髪の男は笑って私を見下ろしている。