【WIND BREAKER】夜が明けたら【R指定】
第8章 嫉妬ってやつ
それからしばらくしても、梅宮くんは私に会いに来なかった。
ベットの横に置いてある、梅宮くんの置き土産はそのままで。
私はそれを捨ても、袋から出しもしなかった。
朝起きて、すぐにその袋を目にする。
それで昨日も梅宮は来なかった。
その事実に胸が少しだけ締め付けられても、決してその袋には触らない。
「温かったり、寒かったり寒暖差あるよねぇ。」
バイト終わりに、条くんが迎えに来る事があった。
そんな時は、条くんが手を差し出せばその手を掴んで歩いて高架まで2人で歩いて行く。
そんな日々が過ぎて行った。
条くんは、あの後に梅宮くんとどんな話をしたのか。
今梅宮くんと私は会っているのか。
そんな事を私に聞く事は無く、マイペースに自分と私の時間を過ごしている。
それは私にとって、心地よい時間だった。
もうバイト先に条くんが来ても驚かないし、彼を怖いと思う事も無くなった。
高架に向かう少ない時間で、条くんは自分の話をよく私にしてくれた。