第6章 純情ってやつ

恍惚の笑みを浮かべながら、自分を見下ろす条くんに、私は目を顰めた。

「……俺にこんな事させたんだから、責任取ってね。」

ちゅっと条くんの唇が私の頬を掠めた。





また……『責任』だ………。

私はうんざりした言葉に目を瞑った。





そのうんざりした顔から、沙織ちゃんが何を考えているかすぐに分かるが、俺は構わずキスを繰り返した。

どうせもう引けないなら。

このまま突き進むのも悪くなかった。





例え、その先の沙織ちゃんの答えが自分とは違っていると分かっていても、どうしても今は手放せそうも無い。





そして彼女もまた、俺のキスを受けながら、その体を離すことはしなかった。