• テキストサイズ

緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第11章 心、狂わせて…


「帰さねぇよ?」
「でも…さっきもシたし」
「んー、そうかもしれねぇけど」
「…でしょ?」
「一緒に抱き合って寝るだけでもいいだろ」
「それで終わる?」
「終わるかどうかは理世次第だぜ?」
「どういう事よ」
「俺と一緒のベッドで我慢できるかどうかって話」
「そっくりそのまま悟浄に返すよ…」

そう言って笑い合う二人。先に悟浄がベッドの淵に座り、右手を差し出した。

「…来るか?」
「…ん」

ゆっくりと立ち上がれば手を素通りし、首に巻き付いた理世。

「…クス…甘えたが」
「…なんとでも言ってくれていいよ…・・」

そう答える理世をとさっと押し倒せば軽くキスを交わして悟浄もまたベッドに横たわる。

「…ま、今夜はこのまま寝るか…」
「寝るには早くない?」
「ゆっくりと寝ろ」
「……」
「夜通し抱かれたいっていうなら寝なくてもいいけど?」
「お休み…」
「早くねぇ?決断」

そう会話するのも互いに聞こえるだけの小さな声だった。まるでそれは子供が秘密ごとを共有するかの様に…
悟浄の胸元に顔を埋めればとくとくと聞こえる鼓動に理世は嬉しそうに目を細めた。

「…悟浄…」
「ん?」
「……明日…起きたら…」
「ん」
「・・・」
「理世?」
「……スゥ…スゥ…」
「おーい、理世?」

しかし応答はなく、小さな寝息が聞こえるだけだった。

「…明日起きたらなんでしょうねぇ、全く」

もぞりと動く理世の体をそっと抱き寄せながらも軽く背中をトントンと優しくたたいている悟浄。

「…ハァ…この俺がお預け食らうとは、ねぇ」

額に軽くキスを落として腕に抱いたまま悟浄のゆっくりと目を閉じるのだった。
/ 303ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp