第47章 帰ってきた場所
この日、そのままの流れで抱かれることも無かった理世だった。
「で?本当に後悔しねぇのな?」
「後悔するのは悟浄の方じゃない?」
「あー、マジそうかも。」
「だよね…」
「でもよ?俺だけだった?触れたかったの」
「そうじゃなくて…」
理世はベッドに座ったまま、悟浄の肩にこつりと凭れかかった。そんな理世をそっと抱きしめる様に包み込めばそっと髪を撫でていく悟浄は理世の言葉を待っていた。
「…会えなかったのが長すぎて…絶対私…悟浄を満足させれない…それに、こうしてぎゅってされてるだけでも…今はすごく幸せで…」
「…それもそうか…」
「だから…」
しかしそっと体を離せば目を細めて小さく笑い、悟浄は顔を上げさせた。
「…俺が満足する方法って…何か知ってるだろ?」
「…ッッ」
「それにさっきは?俺に任せていいって言ってたろ」
「そう、なんだけど…」
「だろ?だから、観念しろって…」
ゆっくりと唇を落としていく。触れるだけのキスからゆっくりと角度を変えて何度も重ねていく。いつの間にかするっと唇を割って悟浄の舌が理世の咥内を犯していく…
「…ン…」
柔らかく、少しだけメンソールの味のするキスに理世はくらりとし始めていた。
「…ッ…ごじょ…」
「何?」
「…さっきの…やっぱりなしって言ってもいい?」
「ていうと?」
「…悟浄の温もり…ほしい…」
「だろ?」
とさっと音もなくベッドに押し倒せば髪をすき、頬に手を添えながらも悟浄のキスが止むことはなくなった。