第29章 ハジメテの感覚
「ごじょ…ぉ…」
「ん?」
「おもちゃ…やだ…」
「んー?良くなかった?」
「そうじゃないけど!…でも…ぉ…」
うるうるとした目で見上げながらも両手を差し出して悟浄の体を求める理世。誘われるままに悟浄はその腕を受け入れた。
「…どうした?」
「おもちゃじゃなくて…悟浄が欲しいって言ったのに…」
「…だったな」
「いじわる…」
「…それで?」
「え?」
「効果は薄れてるみてぇだけど?」
「そりゃ…あれだけ…その…」
いつも通りの理世に戻りつつある中で、悟浄は嬉しそうに口角を上げて笑いかける。
「…意識はっきりしてきたところで、もう一回、スる?」
「やだ…」
「やだって…」
「おもちゃならやだ!」
「……クス…なら…」
くいっと引き寄せれば抱き寄せて耳元に唇を寄せて悟浄は話し出す。
「…俺のならいいって事?」
「…それ、は…」
「どうな訳?」
「…ッッ」
「理世、言って?」
「悟浄がいいって…ずっと言ってる…」
「分かった」
どれほどだろうか、何度も達しているにも関わらず、理世は悟浄の腕にすり寄る様に凭れかけながらもそっとパンツ越しの悟浄の一物に触れた。
「…ッ…理世?」
「今度は私の番…」
「私のって…ッッ」
「黙ってて…」
そういえばベルトも外し、ジッ…とチャックをおろせば理世はそっと熱を持ったそれを両手で包み込み、口に含む。
「…ッック…」
後ろに手を付き、されるままに悟浄は理世に身を任せる様に両足を開ききっていた。
「…クチュ…チュク…」
口に含み、くっと吸い上げながらも唾液をたっぷりと含ませて舐め上げていく。理世の顔にかかる髪をそっと耳にかけながら悟浄は髪を撫でていた…