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VS.Sans

第6章 15




バトルが始まる。
構成も地形も変わらない。

PRAYERのソウルが赤く点る。
サンズは、もう何も言わない。

ただ一歩、足を前に出す。

魔法陣が同時展開。
背後、頭上、左右からのBlasterが即座に狙撃準備。

0.3秒後、同時発射。

PRAYERはすでに動いている。
何度も繰り返した。動きを覚えた。反射で身体が動く。

だが、サンズもまた、“その反射”を予測している。

ジャンプしたその位置に、斜め骨。
方向転換した先に、重力ゾーン。
減速すれば、後ろから骨の壁。

「……っ、うそ……」

声が出る。涙が出る。
でも、それは無意味な遅延。

最後の回避ポイント。
ソウルが宙に浮いた瞬間、空中に小さな光。

それは、光学式Blasterの零距離チャージ。
中心点に向けて、全砲が同時照射。

着弾。閃光。焼却。

視界が白に染まる。

そして何も、残らない。

音は止まり、骨も砕け、魔法陣も消える。
ソウルの欠片すら、画面に浮かばない。

サンズは動かない。

呼吸も、瞬きも、しない。
でも、そこに立っている。

“終わった”という意識すらない。
なぜなら、感じる必要がないから。

処理完了。次の指示が来るまで、ただ待機する。
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