第7章 優しさ
翌朝。
目を覚まし体を起こす。
昨日、何あったっけ。
隣を見ると、野木が気持ち良さそうに寝息を立てていた。
そっか、俺たちまた…。
昨日の光景が脳裏によぎる。
もう何処かに走り去って行きたい。
あいつのペースに乗せられたら、もう終わりだ。
頭が可笑しくなってしまって取り返しのつかない事になる。
ヤる前ちゃんと、「大嫌い」って言ったけど、絶対こいつには伝わってない。
絶対勘違いしてる。
上半身を見ると、いくつもの跡が残っていた。
多分背中にもある。
調子に乗りやがってこの野郎。
野木を睨み立ち上がった時。
「いっ!?」
腰に痛みが走り膝をついてしまった。
こ、これは…。
血の気が引いていく。
学校どうすんだよ、こんなんで1日持つのか?
「もう嫌だ…」
思わずそう呟いた。
「じゃあずっとここにいるか?」
突然声が聞こえ、顔だけを後ろに向ける。
目に映ったのは、こちらを見てニヤニヤする野木の姿。
「んなわけねぇだろアホ!帰れ!」
その怒鳴り声が、家中に響いたのだった。