第4章 初めて
「お前、それどっから…!?」
「おばあさんに貰った」
カヨさん!
つーかまずいだろこの状況。
何とかしないと、本当にやばい。
「な、なぁ、一回落ち着こうぜ。お前頭冷やせよ」
「俺はいたって冷静だが?」
俺の服を捲り上げながら言う野木。
おいおい、何やってんだよ!
「ちょ、マジお前変だぞ?何で好きでもない人とキスとか、こんなこと…」
「は?お前まさか気付いてねぇの?」
信じられないと言った顔をしている。
そんな顔したいのは俺の方なんだが。
と言うか、気付いてないって、何の話だ。
「何が」
「お前、マジかよ…」
盛大に大きくため息をついた。
本当に何の話か分からない。
「まぁいいや。とりあえず、触られたとこ言え」
「言うかアホ!」
足をじたばたさせ野木に攻撃する。
が、野木は全くそれを相手にせず、俺の体をまじまじと見ていた。
何か、恥ずかしい。
「さぁ言え。消毒してやる」
「だから、言わねぇっての!」
しかも消毒って、気持ち悪い。
「言わないと、あのコトばらしちゃうよ?」
「っ!」
耳元で吐息混じりにそう言われ、体がビクッと反応する。
それを見た野木が、ニヤリと笑った。
「へぇ、耳が弱いんだ」
「ひぁっ、んぅ…」
耳を甘噛みされ、ぞくぞくとしたものが体を這う。
「わ、分かった、言うから、も…やめ…ぁ!」
耳を少し攻められただけなのに、息があがってしまった。
そんな俺を眺め、奴は楽しそうに口元を緩ませる。
「じゃあ、消毒開始だ」