第4章 初めて
ビクッと体が跳ね上がる。
おい、嘘だろ!?
振り払おうとするが、人と壁に挟まれて身動きが取れない。
畜生、やっぱり満員電車嫌いだ。
何て思っていると、手を動かしそれをいじり始めた。
「やっ…ん…」
手で口を抑え、もれる声を我慢する。
行為は次第にエスカレートして行き、声が我慢出来なくなってきた。
「あっ、や、もうやめ…て…ぁ!」
俺が声を出す度に、男は息を荒くする。
かなり興奮している様子だ。
くそ、くそ!
離せくそ野郎!
そう叫んでも、口からもれるのは俺の変な声だけ。
男は調子に乗り始め、俺のTシャツの中にまで手を入れてきた。
そして、胸の突起を摘まむ。
「ひっ!?んぁ…ぅ」
嫌だ、嫌だ、気持ち悪い!
頭ではそう思っていても、体が言うことを聞かない。
動けと命令しても、全く力が入らずにいた。
上からも下からも攻められ、頭が真っ白になる。
「あっ、だめ、そこやだ…ん!」
ビクビクと体が反応してしまう。
嫌なのに、体は正直だった。
男は一旦手を止め、ベルトへと手を伸ばした。
「っ!?」
カチャカチャと音がする。
嘘、やだ、誰か!