第4章 初めて
翌日の9時半。
約束の場所にやって来た俺。
野木を探そうと辺りを見回した。
そして発見。
分かりやすいな、あいつ。
でかいし。
俺は、嫌だが野木に近づいた。
野木は俺に気付き、ニヤリと笑った。
「来ないかと思ってたよ」
嘘つけ。
その顔は来ることを確信していた顔だ。
「来なきゃばらすだろ」
野木を睨みながら言う。
するとクスクスと笑った。
「まぁね。人の弱味に漬け込むの、いい作戦だろ?」
性格悪…。
俺はため息をつきまた野木を睨んだ。
「そんなに睨むなよ。じゃあ行こうぜ」
歩き始めた野木の背中を俺は大人しく追いかけた。