第3章 ばれた
高校生活が始まって1ヶ月が過ぎた。
何もかも順調に進んでる日々。
友達も出来たし、すごく学校が楽しい。
「貴夜、飯食おうぜー」
「おー」
翔平とも仲良くなり、今じゃ下の名前で呼び合う仲だ。
いつの間にか、学校に通い始めたての頃の不安はなくなっていた。
「貴夜、翔平、俺もそこ入っていいか?」
「あ、春樹。別にいいよ」
春樹は他クラスだが、こうやって3人でご飯を食べるのが日課になっていた。
しばらくして、春樹がキョロキョロと教室を見渡し、小声で俺たちに言った。
「なぁ、野木っていっつも昼何処行ってるんだろうな」
何だそんなことか。
俺は特に興味がない。
特に野木隼人の話になるとな。
「恋人と会ってるとか言う噂は聞くけど」
「しかもその恋人男とか言う噂も…」
男?
あいつ男が好きなのか?
まぁどうでもいいけど。
「気になるな…。貴夜は気にならないわけ?」
「え、うん。別にどうでもいいし」
そう言うと、春樹はため息をつく。
「お前どんだけ野木のこと嫌い何だよ」
「別に嫌いなわけじゃない。気にくわないだけ」
俺が黙々とご飯を口に運ぶ横で、2人は顔を見合わせため息をついた。