第12章 番外編【貴夜に出会うまで】
隣でスヤスヤと寝息をたてる貴夜の頭を撫でる。
最近、友達によく言われることがある。
『お前、明るくなったな』
自覚はない。
でも、身近にいる友達が言うなら、そうなのだろう。
俺がそうなれたのも、全部貴夜のおかげだな。
こいつといるだけで笑顔になれる、幸せになれる。
俺にとって、かけがえのない存在。
多分こいつがいなくなったら俺死ぬな。
だからさ、ずっと側にいてくれよ。
俺も、離れないからさ。
こんな風に思う俺は、病んでるだろうか。
いや、それでもいい。
独占したい程に、こいつが好きなんだから。
貴夜も、そう思っていてくれたら、いいな。
「貴夜、お前は俺が好きか?…俺は好きだよ。他の、誰よりも…」
その俺の言葉に、一瞬貴夜が微笑んだ気がした。
【END】