【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第15章 自殺か他殺か
ゴロゴロと雷が鳴る深夜の時間帯。
大きな屋敷に一人の男性が机に座って本を読んでいる。
雷がなり始めたのが聞こえた男性は窓を閉めてから机に置いてあるワインを片手に持つ。
そして、一口飲むと雷が落ちる音と共に男性の手に持っているワインが落ちる。
「ぐ‥‥!あっ!!」
男性は自分の喉を手で押さえながら倒れる。
部屋が真っ暗になり、男性がどうなったか分からなくなった。
◆ ◆ ◆
「依頼‥‥ですか?」
「嗚呼、事件があってな。自殺か他殺なのか分からないから手を貸してくれと軍警から依頼があった」
国木田に呼ばれた香織は彼の話に耳を傾ける。
「でも、事件は乱歩さんの分野なのでは?」
乱歩が喜んで引き受ける絵面が容易に想像出来る。
しかし、国木田は首を横に振る。
「乱歩さんは別の事件で手が空いていない。代わりに敦と一緒に行ってこい」
「分かりました」
香織は敦のデスクに向かい、彼に話しかける。
「敦君、ちょっといい?」
「はい、何ですか?」
敦はパソコンから顔を上げて、顔を見る。
香織は国木田から聞いた依頼内容とその依頼に敦と一緒に行ってほしいと話した。
「分かりました!」
敦と香織は出掛ける準備をして、現地に向かった。