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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第28章 Final Stage Ⅰ 〜空港バトル!東雲姉妹VS条野〜






「『終ノ桜死舞華』!」

花の剣が咆哮と共に条野へと突き刺さる。
その瞬間、柚鈴が合わせて異能を使う。

「一緒に、終わらせる!!」

「「『桜花爛漫雷鳴ノ檻・桜雷一閃』!!」」

雷と桜。
天と地の力が重なり、条野を包み込む。
血が咲き、雷が貫き、空港が白光に染まる。
条野の身体は崩れ落ち、意識を失ったようだ。
燃え残る花弁と、まだ微かに残る放電音の中、姉妹は息を切らして立っていた。

「……終わった、の……?」

「いいえ……まだ、終わってないわ」

空港には桜と雷の香りだけが残った。
美鈴の声は、どこか哀しげだった。

「あれを見なさい、終焉の光よ」

声の主が指差した先、空が裂けるように光が降り注ぎ、滑走路の向こうを白く染め上げていた。

(あれは!まさか!!)

眩しさに目を細めながら、香織は息を呑む。
鼓動がひときわ大きく鳴り響き、皮膚の下をざわつかせる。

「福地さんが『大指令』を開けたんだ!」

震える声が空気を切る。
言葉にすることで現実味が増し、全身を戦慄が駆け抜けた。

「美鈴姉達は先に行って!私は条野先輩をお父さん達に届ける!!」

振り返りざまに叫んだ柚鈴の瞳には、迷いはなかった。
血の気の引いた顔でも、その足取りはしっかりと地を踏みしめている。

「え、でも---」

香織が思わず腕を伸ばすが、その手が彼女に届く前に、柚鈴は一歩後ろへ下がりながら微笑んだ。

「安心しなさい、お父さんは元猟犬。条野が目覚めて暴れてもお父さんなら大丈夫」

その声には、不思議な確信と強さがあった。
柚鈴は眠る条野の身体をしっかりと抱え直し、その肩を支えるように力を込める。
香織は名残惜しげに一瞥を交わすと、振り返りもせず福地のいる滑走路へと駆け出していった。
その背には、確かな覚悟と、それぞれの信じる『守るべきもの』が宿っていた。




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