【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第25章 悲劇なる日曜日
『この扉の向こうが人質部屋です』
「でもきっと犯人も突入を警戒して‥‥」
「打開策ならある。扉を破り、この音響手榴弾を投げ入れる。だが其方は囮だ。同時に夜叉で後方の壁を切断して侵入。後方から犯人全員の首を刎ねる。正面からの異能戦になれば人質が死ぬ。他に方法は無い」
「お前達、時間だ。鎖鋸の起動釦を押せ」
扉の向こうに探偵社がいると感じたゴーゴリは一人の白頭巾の人物に指示を出す。
斗南は飾られている時計に目を向ける。
「何!?止せ!!十八時まで未だ数分あるぞ!」
「いいや、予定通りだよ。それから‥‥全員頭巾を−−−」
『頭巾ヲ脱ゲ』ト、青年ハ云ヒタリ
『犯人が頭巾を脱ぎます!』
「犯人の顔が分かる!見逃すな!」
狙撃班は窓から見える状況を本部に報告する。
ブォォーと椅子に座っている人質の鎖鋸が発動された。
「止めて!!止めてくれ!!」
「止めさせろ!」
斗南の止める声が聞こえるが状況は変わらない。
人質の悲鳴が部屋に響く。
「室内で悲鳴が!!」
「突入する!」
悲鳴を聞いた国木田達がドアを開けて部屋に入りろうと一歩足を前に踏み出す。
『白頭巾共ノ正体ハ』