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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第19章 過ぎ去った時代




ロシア連邦の中西部に位置する大首都、モスクワ。
歴史と現代が見事に融合した魅力的な都市であり、政治・行政の中心地として栄えるこの街では一つの出来事が起きようとしていた。
ガヤガヤと賑わう街中とは裏腹に一人の男性が日の差し込まない裏路地を歩いている。

「あの貴族、自分でどうにかしないと思わないのですかね」

フョードルは溜まりに溜まった不満を声に出して言う。
今の彼はまだ『死の家の鼠』の頭目ではなく、ロシア皇帝の側近の立場にあった。
歩いていると黒いローブに身を包んだ女性が道に倒れていた。
フョードルがその女性に近付いて、顔を覗き込む。
生きているか脈を測るとドクドクと心臓が音を立て、体温がある。
女性は気を失って倒れているというよりも寝息を立てていたため寝ていると分かった。
何故こんなところで寝ているのか分からないが裏路地は危険だ。
置いていくわけにもいかず、屋敷に連れて行こうと思ったフョードルは女性の身体を持ち上げる。


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