【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第18章 魔人の策略
夜の帳がおりたヨコハマの夜道を福沢は歩いていた。
不意に彼は足を止める。
「血痕……?」
どうやらその血痕は裏路地に続いていた。
「この血溜まりで途切れているか」
背後に仮面の男性が立ち、福沢を殺そうとするが福沢は男性の武器を素手で掴んで身体ごと投げた。
「死を死を……異能者に死を……永遠に目覚めぬ泥土の眠りを」
「異能者狩りか……私の他にも標的があるならば逃す訳にはいかんな」
「届かない、貴方では私に届かない。いかな武術の達人でも、意識の外からの攻撃は避けられない」
福沢の背後から銃の弾らしきものが飛んで来た。
福沢は避けきれなく首に弾丸が掠れ、軽症を負った。
「後頭部を砕くつもりが、殺気を読まれましたか……ですがこれで十分です。抗えぬ死は至るところに所にあります。例えば銃、病、孤独−−そして毒」
「ぐ……!?」
福沢は崩れ落ちる。
「今宵は死ぬにはいい月夜です」
仮面の男性は立ち去る。
「待……て………」
福沢は意識を失い、倒れる。