【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第3章 禁忌という名の罪
あの土壇場な日からの翌日、時刻は朝9時。
この日は休日であったためいつもより遅く起きてしまった。
身支度を整え、貸された部屋から出ると廊下には教会にある私物が重ね重ねに置かれていた。
「え、何でここに‥‥」
何も言われていかったため、香織の顔には驚きが隠せない。
そこに丁度、中也が通りかかった。
「おう、おはようさん。聞いてねぇのか?手前はしばらく此処に泊まることになったんだよ。」
「聞いてないしそんなの初耳なんだけど‥‥」
「太宰の奴、言ってなかったのかよ。」
(あっ、敬語使うの忘れてた。)
一応ここはマフィアということもあり、言葉には気をつけないといけない気がする。
下手に首とおさらばしたくなかった香織はすぐに直した。
「すみません‥‥」
「急に敬語になりやがってどうした?最初もそうだがお前、ぎくしゃくしてたぞ。」
「敬語使わないと首とおさらばされそうで‥‥」
「んまぁ首領や幹部には使ったほうがいいかもしれんけどよ、ずっと固っくるしくしてても気が休まねぇだろ。俺は気にしないぜ。それに太宰も気にしねぇだろうよ。」
香織からして中也の印象は優しい人なんだと印象が変わった。
マフィアの人でもこんな人がいるのだなと思った。
「分かった。ありがと」
香織は中也に礼を云い、積み重ねられた私物を部屋に持っていくのであった。