第15章 清く、やましく、大胆に……
「シたら、移すだろうが…」
「あ…そういう……」
「ちょっとは考えろ、バカが…」
「でも…だったらいいよ…キス…しても」
肩口に手を寄せ、少し押し戻すとそっと三蔵の頬を包み込むように触れた雅。そのままゆっくりと首に回しゆっくりと引き寄せる。
「ン…」
いつもよりも熱い三蔵の唇。ゆっくりと離れると角度を変えて三蔵が重なってくる。無防備過ぎる雅の唇を割り、三蔵の舌が、雅の口内を犯し始める。
クチュ…チュ……チュクリ…
唾液の混じる音が二人だけの室内にいやらしくも響いていた。ゆっくりと離れると頬を赤らめた雅を見下ろして三蔵は優しく笑いかけた。
「こんな表情顔じゃあ、どっちが熱あんのかわかんねぇな…」
「え……」
「どんどん…熱くなってる…」
そういうと三蔵の唇は首筋に降りてくる。そっと舐め、軽く吸い上げる。スルリと手が服の中に入ってくるのを感じて雅の体はピクリと反応する。
「…さん…ぞぉ…」
「…」
ゆっくりと手を引き、雅の横に横たわる三蔵。
「三蔵?」
思いがけないことに雅は横たわり、自身を抱き締める三蔵に問いかけた。
「熱の勢いでってのは趣味じゃあないんでな」
「…ッッ」
「でも何れは、雅の全て、俺が貰う」
「三蔵……ッ」
「迷惑なんだよマジで…」
「え…」
きゅっと抱き締める腕に力がこもった時だ。始めて聞くくらい、甘く、熱を帯びた声で三蔵は雅に伝えた。