第13章 赤きリコリス
そうして昼前だと言うのにもう夕刻ほどの暗さしか無い離れに通された雅。
カタン…
扉が開くとそこには真っ白な白装束に身を包んだ可愛らしい女の子がいた。
「白明…」
「え…なんで」
「この方と変わりなさい」
「でも…」
「三蔵法師様が居らしたんだ。助けてくれたんだよ」
「でも…この方と変わるって…」
「大丈夫だ!ほら…早く…」
そう言って雅と二人きりになり、着替えを済ませる。自分の服を畳み、外で待つ八戒に渡した。
「お願いね?」
「気をつけてくださいね?」
「雅!心配するな!俺達がぜってぇ守るからな!」
「悟空も、ありがとうね」
「……」
「三蔵、わがまま言ってごめんね?」
「謝ってんじゃねぇよ。後悔してんなら今からでも遅くねぇからそんな事やめるんだな」
「フフ…大丈夫の一言も無いのは三蔵らしい…」
「行くぞ」
そういって雅を残して一行はその場を離れた。三蔵一行に用意された部屋は村ではとてもきれいな部屋だった。ベッドも四台しっかり用意されていた。時間も過ぎ、夕飯も済ませた四人は部屋に戻っていくと、頭を抱えていた。