第7章 宵の告白
しかし誰も手を貸そうとしない中、小さなため息を吐くと三蔵はふわりと抱き上げた。そのまたとさりとベッドに寝かせると面倒くさそうに椅子に座り直す。
「答えて上げてくださいね?三蔵」
「酔っぱらいの告白にか?」
「酔っぱらいでも雅ですよ?」
「フン…知ったことか…」
「…なぁ三蔵?」
「なんだ」
「本当に、答えるつもりはねぇ訳?」
「どうでもいい」
「なら、俺、マジで雅の事オトシにいっていい?」
その悟浄の一言で、一瞬場は静寂に包まれたが、すぐに三蔵の一言で打ち消された。
「貴様が誰を落とそうと俺の知ったことじゃねぇよ」
「…解った」
「ちょ…ちょっと?あんまり波風立てないでくださいね?」
「恋路にゃたまの波風は必要ってことよ。」
そう言い残した悟浄はベッドに寝かされた雅を再度抱き上げ、その部屋を出た。横の部屋が用意されているもう一部屋。そっとベッドに下ろすと前髪を避けた。
「なんでそんなに三蔵がいいんだよ…」
そう言い残し、そっと唇にキスを落とした悟浄だった。
一方、二人の出た後の部屋では八戒に諭されるように話をされる三蔵が居た。
「いいんですか?三蔵…」
「俺の知ったことじゃねぇ」
「雅の気持ちはどうなるんですか?」
「素面ならまだしも、酔っぱらいの告白なんざまともに受け取れねぇだろうが」
「…ハァ……あなたという人は。」
そう言い残して八戒はカチャカチャと片付け始めた。そのまま悟空はソファで眠りそうになっているのを八戒に促され横の部屋へと向かったのだった。