第47章 埋める穴、そしてキス
それから出発の予定日、午前中に三蔵は私服のまま出掛けていった。
「……おかしい……」
「どうかしましたか?」
「三蔵……今日ここ出るんだよね?」
「えぇ、そういってましたが…」
「なんで法衣…着ないで出掛けたの?」
「そうなんですか?」
「うん……やっぱり……変なバイトしてるのかな…… 」
「ば……いと…ですか?」
「うん……そう思う」
「どうしてそんな考えに至るんですか」
「悟空と悟浄に聞いたの…」
「何かいってたんですか?」
「三蔵…私服が増えたのもイメクラバイトしてるからだって……」
「あの…雅?イメクラって解ってますか?」
「……解んない…だから変なバイトなのかなって……」
ため息を吐く八戒。
「あのですね、雅?イメクラ、まぁ、イメージクラブの略なんですけど…風俗の女性がいろんなコスプレして性的サービスを提供する場、の事ですよ?」
それを聞いた雅はカシャン…と持っていたマグカップを落とした。
「……ハァァ…」
「だって……」
「なんです?」
「悟浄!!そんなこと……」
「言わないでしょうねぇ……」
色々な考えが頭をめぐる。なにも言わない三蔵と突如八戒に聞かされた悟浄から聞いた場所の意味。しかしそれが本当かは三蔵に確認していたわけでも無い…