第41章 ピンクレモネード
何よりも早く出たくて仕方ない様子の三蔵。さっさと会計を済ませて店を後にした。
「全く……あれだから女は…」
そう呟いていた。少しして宿に向かうと悟浄はにやにやとした顔で待ち構えていた。
「買えたみたいだけど…?三蔵」
「……なんの話だ」
「わざわざ法衣脱いで行く所なんて一ヵ所しかねえだろうが。それとも俺の思い過ごし?」
「黙ってろ、クソ河童」
「…てか三蔵?」
「なんだ」
「買ったのってゴムだけか?」
「……だったらなんだ」
「ほら、もっと面白いものとか無かったの?」
「面白いって……」
「大人のオモチャとか…」
「……あそこの女と貴様は同類かよ」
「あったんなら買えば良かったのに」
「要らん」
「……雅も悦ぶかもよ?」
「…フン…しらねえな」
そう話していた。そうこうしている内に三人も帰ってくる。そうして片付けをし、いざ出発していく。その道中で雅は悟浄に問いかけていた。
「あ!」
「何?」
「ごじょごじょ、もうじき誕生日だね!」
「あーー、言われてみれば…」
「何かお祝いしたいね」
「雅が祝ってくれんなら俺十分だよ?」
「皆でお祝いした方が楽しくない?八戒や悟空の合同の時みたいに!」
「ま、それも悪くねえけど…」
「なにかリクエストある?」
「んー、雅とデート?」
「…良い度胸だな…」
「や、三蔵?今のは明らかに雅が聞いてますしね?」
「それ以外ってなら……なんでもいいぜ?あ、ケーキって柄じゃねえからそれ要らね」
「要らねって、用意するのは悟浄じゃないからね?私たちよ?」
「おい雅」
「なに?三蔵」
「その私たちの中に俺も入ってるのか?」
「当然でしょ?」
「…だそうですよ?」
「ふざけんな…」
「こっちだって願い下げだぜ」
「そういわないの!せめて誕生日くらい…」
「うまいもん食えりゃそれで良い!」
「悟空!!」