第35章 初めての喧嘩
翌朝、何事も無いかの様に朝食場へと向かった五人。そこには先客がいた。
「めーしぃぃぃぃ!!」
「うるせえバカ猿…」
「そんなこと言ったって…!!」
「まぁまぁ、いいじゃないですか。」
「お腹すくのは良い事だし!」
「ほら!雅だってあぁ言ってる!!」
「…チッ…」
「相変わらず雅には甘いねえ、三蔵」
「うるせえ…そういえば…てめえは何言ってんだ」
「何って?何かあった?」
「とぼけんのか、でもまぁ、手出さなかったみたいだから許してやるよ」
「……あぁーー、昨日の雅の相談?」
「それ以上言うな」
「…で?うまく行った?」
「うるせえよ。」
「…行ったんだ」
「黙れ」
早朝とは思えないような会話だったにも関わらず、同席している二人組の男性は笑ってみていた。
「楽しそうですね」
「…どこがだ」
「えぇ、それはもう毎日が…」
「男性四人に女性一人で旅、ですか?」
「まぁ、そんなものです」
「大変だね…」
「でもまぁ、三蔵法師さんの一行ならそうでも無いのかな?」
その一言で八戒と三蔵の目付きは変わった。