第33章 悟浄の個別教室
「ごめん……やっぱり変だよね…」
「まぁ待てって…」
そう言うと悟浄は部屋に戻ろうとする雅の手首をつかんで引き留めた。
「どうしたの、雅がそんなこと聞いてくるなんて…」
「…その……」
「んー?」
俯いたまま雅はなかなか悟浄の顔ですら見れなかった。戸惑い気味に雅はきゅっと手を握り締める。
「あの…ね?笑わないで聞いてくれる?」
「あぁ。」
しかし話そうとした時、別の部屋からも宿泊客が出てきて鉢合わせをする。
「…場所、変えるか?」
「ん…」
そう返事をして二人はその場から離れ、食堂にもされていた広間に向かっていった。
「で?男の何が知りたいの?雅は」
「……どうしたら…悦んでくれるのかなって…」
「それは三蔵が、だろ?」
「……ん」
「なら本人に直接聞くのが良いんじゃねえの?」
「『却下』って言われる…だろうし……それに…聞いちゃいけないのかなって…」
「で、何で俺?」
「…それは…その……女性との…コト…詳しそうだし…」
「…言い方…クス…」
「ごめん…こういうのうまく言えない…」
そう言いながらも恥ずかしさからまともに悟浄の顔を見れない雅。それをわかっての事だろう。悟浄もまた『上を向け』ということも無く、見つめていた。
「んー、オトコって言っても、俺と三蔵じゃされ方の好みも違うだろうし…?少し前まで女抱いた事無かった三蔵と俺でも違うだろうし…」
「……そっか…」
「八戒だって違うだろうよ?」
そう答える悟浄。
「そぉ…なんだね」
「まぁ、デリケートな問題何だろうけど。俺はイイ女にシて貰えるなら気持ちいだろうし?もしくはテクニックなんて無くても好きな女なら一生懸命シてくれるだけでゾクゾクするだろうし。」
「そっか……」
「……で?なぁんでいきなりそんなこと聞くの、雅チャンは」
「……三蔵に返してあげたい…」
「返すって……」
「三蔵は…たくさんしてくれるの…でも私、シてあげれてなくて…でもどうしたら男の人って嬉しいのか…わからないから…」
「…ッッ」
「下手にして嫌われたくない…」
「……(今の俺がやべぇわ……)」
そっと頬に手を滑らせると悟浄は顔をあげさせた。