第25章 眩しき光
「なぁ、時に三蔵?」
「なんだ」
「雅ってさ…かわいいよな」
「何言ってんだ、貴様」
「でさ?八戒って自分の事話したって言ってたけど…」
「えぇ、僕が妖怪になった経緯を…」
「……てか、ダークすぎねぇか?」
「えぇ、少しばかり泣かれてしまいました。」
「三蔵はさ、三仏神に話したの?」
「……必要いるか?その報告」
「いや、要るだろう?」
「あのクソババァが知ってんならそれでいいじゃねぇか?」
「そういう問題…なのか?」
「あ、それ、僕も思いました。」
そう話していた。悟空と雅が話し、笑い合っている後ろ姿をみて三蔵はふぅっと息を吐く。
「どっちにしても、斜陽殿に行かないと会えませんし、それに三蔵以外が謁見することはどちらにしても出来ないですし」
「そっかぁ。まぁ、でも菩薩が知ってんのなら問題はねぇのか?」
「知ってるも何もあいつが連れていけと言ったんだ」
「あー、はいはい」
クスクスと笑いながらも悟浄は悟空達を追っていく。八戒は三蔵に顔を見合わせるでも無く話しかけた。
「どちらにしても、ですが…きっと三仏神の耳には入っているでしょうけど?」
「そうだろうな」
「でも、菩薩の命、の割に嬉しそうなのは気のせいですか?」
「うるせぇよ…」
「クス、すみません、どうもこう…、あなたが雅に対する態度を見ていると突っ込んでみたくなってしまうんです。」
「俺らで遊ぶな」
「……ほら、そういうところです」
「何が言いたい」
「少し前には自分一人だったのが、今では俺達、複数形になって入るではありませんか?」
「……チッ…」
「自覚、無かったんですね?」
「……ハァ」
「いいじゃないですか。僕はいいと思いますよ?」
「……何がだ」
「三蔵だって人間なんですから。」
そう言うとチラリと三蔵に目をやりながら八戒は続けた。
「愛する人がいて、全力で守りたい笑顔があるなら…それはとても素敵なことですよ、三蔵」
「…貴様が言うとなんだかすげぇ重てぇよ」
「おや?そうですか?」
クスクスと笑い会う二人。
「おーーい!!早く!!飯行こうよ!!」
ブンブンと両手を振っている悟空を見て八戒は一足先にと三蔵より一歩先を歩いた。
「…守りたい……か」
そう呟いて…
「おじちゃん!!あとこれとこれ!!追加ね!!」
そう注文を繰り返している悟空。
