第23章 揺れる心
「なぁ三蔵…俺病気かな…」
「なんだ…一体」
「腹が…腹が減らねぇんだ」
「…大丈夫か?」
「悟浄…どうしたんだろうな…」
「それは病気じゃないですよ。悟空」
「マジ?!ねぇ!」
「はい、ただ、その話題は三蔵には今は避けた方が良いかと」
「何でだよ…」
「本当に。有るべきものが無いだけでこうも人を狂わせるのですから…」
「………ッッ」
そう話していると、風がひゅっと吹いた。
「……今度はなんだ…」
「今回は手下の方々では無さそうですよ?」
「……あれ」
「…!」
そう、ジープを停めた少し先には赤い短髪が風に揺れ、その横にはガタイの良い男…そして
「雅!!」
そう、その後ろには見慣れた女の姿があった。
「紅孩児…!!」
「やっと…お出ましですね…」
ジープから降りた悟空と悟浄。それについで八戒と三蔵も降りた。
「あの…紅…」
「独角、雅を頼む…」
「あぁ。」
そういうと紅孩児は一歩、また一歩と一行の元に近付いてくる。
「おい!なんだよ!!」
「うるせぇよ」
「……三蔵?今日、紅孩児さん…様子がおかしくないですか?」
「……」
ザッと構えるものの悟空を挑発するようににっと笑っていた。
「こんの……返せよ!」
そう言うと悟空は如意棒を持ちながらも紅孩児に向かっていく。その攻撃を受けると紅孩児は悟空に伝えた。
「俺たちは雅を連れ去ったんじゃない。」
「え…?」
「話を聞け」
「……」
その言葉を聞いて悟空は一旦間を開けた。その間を詰めながらも紅孩児は話し出す。