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凜恋心【最遊記】

第3章 初乱闘


「うるせぇって言ってんだろうが、このゴキブリ河童が…」
「ちょ…!この距離はまずいって!マジで死ぬ!三蔵さま!!」
「ほう、なら一回死んでみろ。もう少し大人しくなって生まれ変われたら良いよなぁ」
「はは、三蔵?死んだら生き返れませんよ?」

和やかに見えるがかなり大胆にも聞こえる会話。雅はおろおろしながら見ていた。

「あの、私誕生日会とか、要らないので…!三蔵さんをお祝いしてあげてください!」
「…は?」
「だって…今まで一人のお誕生日会が私入って半分になったら…」
「バカか…てめぇは」

そうひと言言い放つと三蔵はカチャリと銃を引いて懐にしまう。

「誕生日会なんざ要らねぇよ。」
「あ………そうですね…まだ誕生日先ですし…」

ふっと暗くなった雅の顔色に悟浄がいち早く気付いた。

「三蔵が要らねぇって言っても雅まで、んな暗い顔しなくて良いじゃねぇの。」
「…でも……」
「ん?」
「次の町まで連れていってもらってお別れなのに…」
「んぁ?」
「え…?」
「そうなの!?」
「……だってあの村から連れ出してくれただけで…」
「バカだろ…」
「……あの!お言葉ですが!」

ばか、と言い放つ三蔵に対して雅はもの申し出した。

「さっきからバカバカって失礼です!そりゃ確かに三蔵様にしたらバカかもしれないけど、そんな風に言わなくてもいいじゃないですか!」
「…おぉー、言うねぇ」
「バカにバカと言って何が悪い」
「じゃぁ何をもってバカと言うんですか!?」
「じゃぁ聞くが、誰が次の町までと言った?」
「…え?」
「確かに、誰も言ってませんねぇ」
「だって、私なんて…」
「あー、雅ちゃん、それ止めにしましょう?」
「八戒さん?」
「それも無し、八戒でいいですよ」
「俺も悟浄で」
「俺も悟空でいーよ!!」
「解りました」
「それですよ、敬語。三蔵が二十四、僕と悟浄が二十三、悟空は十九、で、雅が二十一。ほぼ同じ年ですからね。」
「三蔵さん二十四才!?」
「…悪いか」
「おっさんだよなぁ!」

スパーーーァァァン!

悟浄の一言と間髪いれずにハリセンが飛んでくる。
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