第21章 甘蜜月夜
「少し横になってろ…」
「…ん」
そう言うと手早くゴミ箱に処理をするとたばこをとり戻ってくるなり、横に座る。
「三蔵…」
「なんだ…」
「くっついて…いい?」
「…好きにしろ」
こんな時でさえも無愛想にもとれる三蔵の言葉。そう言われて雅は嬉しそうに腰に巻き付いた。
「三蔵…?」
「なんだ…」
「…さーんぞ」
「……」
「三蔵…」
「うるせぇよ」
「……クスクス…」
「なんだ」
「何か…嬉しいなって」
「…そうか」
「あのね…?」
「なんだ」
「……三蔵に逢えて、私すごく嬉しい」
「なんだ、唐突に」
「すごく言いたくて…」
「ガキか…」
「それでもいい…」
「…俺はガキはごめんだ」
「でも、選んでくれたんでしょ?」
「…フン…」
「三蔵言ったよね?」
「何が…」
「『良く悟浄で手を打たなかったな』って」
「…あぁ」
「実はね、すごく打ちたかった。八戒にだっこされてる時はそこまでじゃなかったけど…一回揺れて悟浄に凭れたとき……本当はそのままキスしちゃおうか…って思った。」
「…てめ」
「でも…どんなことがあっても…理性ある内は三蔵がいいから…キスも…ハグも…」
「悟浄のが移ったな?」
「え?」
「キスだのハグだの……」
「あ……」
「でも、まぁ……留まったから許してやるよ」