第20章 李厘の悪戯置き土産?!
一足先に部屋に戻ってきた三蔵と雅。どさりとベッドに下ろすと三蔵は上から見下ろした。
「さて、ひとつ聞きたいんだが?」
「……はい?」
その眉間のしわからして、雅は焦りしかなかった。
「…あの…三蔵?」
「良くもまぁキスされた相手と一緒に何事も無いみたいな顔して外泊できるな」
「外泊って……」
その時悟空達三人も宿に戻ってきた。その様子をみた悟浄は場の空気云々よりも先に口を開く。
「なぁにいってんの、三蔵」
「うるせぇ、貴様は黙ってろ」
「外泊って言っても……練習しておきたかったし…」
「そんな休憩もろくに出来ない位練習して体痛めたらどうするんだ」
「え?」
「何か間違ったことでも言ったか?」
「それは…」
「それにもうひとつの質問の答えがまだだ。」
「あれは事故って言うか…」
「したんだな?」
「したって言うか勝手にされて……それに三蔵みたいなやらしいのじゃなくて……ちょっと触っただけって言うか…」
「ぁん?…そんな事聞いちゃいねぇよ。したかしてねぇかってだけだろうが」
言い争いの間に悟浄と八戒は顔を見合わせる。
「まぁまぁその位にして…」
「まだ話は終わっちゃいねぇ」
「あ、雅?僕あなたの作ったスイートポテト食べたいので僕らで買い物行ってきますね?」
そういって八戒は悟浄と悟空をつれてその場を後にした。パタンと閉まる扉を見送り、三蔵は再度雅に向き合った。